2020年への東京物語 [第1回]

江戸の大名庭園

その美しき庭を歩く

| 大名庭園

六義園

Rikugien

鄙びた風情の「滝見茶屋」。渓流を流れる水音が楽しめる(左上)。豊かな水を湛える「大泉水」を木々か囲う(左中)。紅葉が鮮やかに彩る季節の風景(左下)。ツツジの花に囲まれ「藤代峠」に続く階段(右上)。ライトアップされたしだれ桜(右中)。都会とは思えない美しい園路が続く(右下)。

 一度訪れると、幾度となく通いたくなる穏やかな風情の庭園である。元禄8年(1695年)に5代将軍・徳川綱吉から与えられた地に、柳沢吉保が7の歳月をかけて造園した。名称は中国の古い漢詩集『毛詩』に記された「六義」という詩の6つの分類法を引用し、紀貫之らが『古今和歌集』で記した和歌の六体(六義)に由来する。千川上水の水を引いて大泉水をつくり、その池に妹山、背山の二つの築山からなる「中の島」を浮かべた。池のまわりに「出汐湊」や「藤代峠」、蜘蛛の糸のように長く続く「蛛道」など、『万葉集』や『古今和歌集』に詠まれた紀州和歌の浦の景色にちなんだ景観をつくり、和歌の世界に仕上げたのである。毎年春にはしだれ桜に続いてツツジが、秋には紅葉が庭園内を美しく染める。

六義園に接して六義館があり、柳沢家の別荘、下屋敷の家屋が続いているのが分かる、「六義園之図」(柳沢文庫蔵)。現存するのはもちろん庭園部だけである。

「玉藻の磯」からから「中の島」を望む。

DATA

所在地/文京区本駒込6丁目
電話/03-3941-2222
休園日/12月29日〜1月1日
入園時間/9:00〜16:30(閉園17:00)
入園料/一般300円、65歳以上150円 ※小学生及び都内在住の中学生は無料

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