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お祭り列島見て歩き Vol.2 – 元三大師を供養する深大寺のだるま市(3月3、4日)

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だるまで真っ赤に埋めつくされる境内

東京都調布市、深大寺のだるま市にやってきた。

調布市と言えば「ゲゲゲの鬼太郎」だ。作者の水木しげる大先生が在住ということで、鬼太郎を大々的にフィーチャーした町興しが展開されている。駅前商店街には鬼太郎や仲間の妖怪たちの像が置かれ、バスのボディにはサッカーボールを蹴る鬼太郎が描かれている。

「鬼太郎も応援しています ガンバレFC東京」。力づくの合わせ技だ。

ここ深大寺の参道入り口にも「鬼太郎茶屋」というお店がありいつも繁盛しているのだが、この日ばかりは「だるま」に主役の座を奪われていた。もっともここの主役は鬼太郎ではないけれど。

屋台の「やきそば」のソースがジュワ~っと焦げる香りに後ろ髪を引かれたり、七味売りの口上に思わず足を止めて聞き入ったりしながら参道を抜け、山門をくぐると目の前に広がる赤、赤、赤。境内一面だるまで真っ赤っ赤。手のひらに乗るくらいの小さなものから1m超えの大きなものまで様々。店を出しているのは主に群馬県の高崎市、埼玉県の岩槻市、東京都の瑞穂町などのだるま屋さん。300以上店はあるだろうか。毎年同じ場所に同じ店が出ているので、買う方も分りやすい。「親の代から同じ店で買ってます」なんていう人も少なくない。

赤いだるまに混じって最近では風水だるまと称するカラフルなだるまがあり、これがけっこう若者に人気だ。青が仕事運、緑が健康運、ピンクが恋愛運などとなっている。ボクはオッサンなので、だるまはやっぱり赤くないと頼りない。というか、どうも願い事が成就する気がしない。大きく「阪神」とだけ書かれた大きな黄色いだるまもあったが、個人的にこれは許す。

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だるまを買ったら次は目入れだ。本堂の横を少し登ったところに元三大師堂があり、その前に特設の「開眼所」が設けられていて、長い行列ができている。ここで深大寺の僧侶が直々に目を入れてくれるのだが、それが実に独特で、片目を黒く塗る代わりに梵字の「阿」という文字を書き入れる。その際、お堂に38 2012 May祭られている元三大師の魂をだるまに込めるのだそうだ。元三大師は良源という天台宗の偉いお坊さんのことで、カリスマ的な霊能者でもあったという。一年後に願い事が叶うと、もう片方の目に「吽」の字を入れて奉納する。物事の始まりと終わりを表す「阿吽」。こうした儀式を経ると、なんだか本当に願い事が叶うんじゃないかという気にもなってくる。あの黄色い“阪神だるま”に霊力を込めれば、ひょっとしたら…… 、なんて妄想したりして。

深大寺で、もうひとつ忘れてはいけないのが「そば」だ。境内周辺には20軒ほどの「深大寺そば」の店がある。観光地価格なのは否めないが、せっかく来たのだからと、そのうちの一軒に入る。

3月と言えど寒かったので、温かい「なめこそば」を注文した。テーブルの上には買ったばかりの小さなだるま。この小さいだるまに極々小さい願をかけてみた。叶うとちょっと嬉しいくらいの小さな願い事。来年、このだるまに「吽」の字を入れることができればいいなぁ…… 。もし、目を入れることができなければ、その時は「鬼太郎茶屋」に行って、目玉オヤジに頼んでみるか。(終)

【深大寺だるま市】
東京都調布市深大寺で毎年3月3、4日に行われる日本三大だるま市のひとつ。東京に春を呼ぶ催しとして親しまれている。沿道に並んだ縁起だるま店の威勢の良い売り口上と訪れる大勢の参拝客で、境内は両日活気溢れる賑わいを見せる。

深大寺ホームページ
http://www.jindaiji.or.jp/

調布市観光協会ホームページ
http://www.csa.gr.jp/daruma2010.html

深大寺へのアクセス
●新宿駅から京王線で調布駅、もしくはつつじヶ丘駅下車。「深大寺」行きバスで約15分。JR中央本線で三鷹駅下車、深大寺」行きバスで約25分。
●クルマで新宿方面から国道20号線を下り、下布田交差点を右折、三鷹通りを直進し深大寺小前交差点を右折して約500m。

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