ストール 今治工房織座「ITO」(いと)

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FLASH 13650円
サイズ:約34cm × 190cm(フリンジ込み)
カラー:グレー
組織:絹100%
織り:傾斜もじり織り

 

織物の原点の追求と新たな挑戦の末に生まれた美しいストールたち

今治は、江戸から明治初期にかけて、綿布の産地として知られていた場所。工業化が進み機械による織物が盛んになると、綿織物の産地へと移行した。しかし、時代の流れとともに織物産業は中国、東南アジアの国々にとって代わられ、今では日本で売られている織物の多くが海外製である。

そんな時代の波にのまれ、廃棄同然だった昭和初期の織機を全国から集め、その部品ひとつひとつを磨きこみ「着尺一列機」を作ったのが「工房織座」だ。「工房織座」は7年ほど前に、今治の老舗タオルメーカーを退職した職人が創業した会社である。再度組み立てられた「着尺一列機」は、現在の高速織機では不可能な織り方が可能だという。豊かな風合いに仕上げられる低速織機なのだ。

「工房織座」が手掛けた『ITO(いと)』という織物のシリーズは、今治の歴史、自然、風土から得たインスピレーションをテーマに2010年に立ち上げられた新ブランド。かつては縦、横に描くことしかできなかった織りの文様。その常識を覆し斜めの模様を可能にしたのが「傾斜もじり織り」であり、もうひとつが曲線を形成することで凹凸感がある幾何学的な模様を浮かび上がらせる「たてよこよろけもじり織り」である。どちらも「工房織座」が開発した世界でふたつと見ない技術であり、その美しい模様は「着尺一列機」でしか織ることができない。基本となるのは「もじり織り」で、織物の目のズレが起こりにくく、織物自体の強度が増す織り方である。しかも柔らかく、保温性に優れた織物に仕上がるので、美しいだけでなく、実用性も兼ねそろえていると言える。

「着尺一列機」は低速の織機のため、一日にできる製品は10〜30枚しかないという。手間も多く、決して効率がよい生産方法とは言えない。だが、職人の手による次なる織物への探求心が、私たちに“良いもの”とは何か、を教えてくれる一枚をつむぎ出したのである。

 

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模様は全5種類で展開。どれも今治の歴史、自然、風土から着想したデザイン。カラーもポップからシックなものまでバリエーションが豊かだ。

 

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「たてよこよろけもじり織り」によって「波」を表現した『WAVE』(左)「傾斜もじり織り」で「光、ひらめき、感動」を表現した『FLASH』(右)(各13650円)

 

●お問い合わせ先
株式会社 工房織座
〒794-0117 愛媛県今治市玉川町鬼原甲55
http://ito.oriza.jp/

 

撮影 / 内藤サトル 取材・文 / 古澤大

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