JQR TOP INTERVIEW – ハバス・ワールドワイド・ジャパン株式会社 代表取締役 スティーブン・コックス氏

Decrease Font Size Increase Font Size Text Size Print This Page

私たちはコミュニケーションの方法を変えざるを得ない

「口コミ」はすでに極限まで広がっています。今のところ、小さな画面とツールに限られた現象だと思えるかもしれませんが、現実には、あらゆる産業の伝統的なビジネスモデルは完全に破壊されました。例えば音楽はどうでしょう。今では聞きたいと思った曲を聞くために、その曲の入ったアルバムを買う必要はありません。聞きたい曲だけをデジタルで購入できます。自動車メーカーは車にコミュニケーションシステムを搭載しなければ話になりません。出版業も映画産業も、あらゆる産業で起きているこの革命は、従来の法律や著作権を根本から覆し再考を迫っています。日本でも他の国々と同様、友人のためであれば、購入した音楽や書籍を合法的にコピーできます。DVDのゾーニング(リージョンコード)で頒布権を守れる時代は終わったのです。

ですから私たちは、消費者とのコミュニケーションの方法を変えざるをえません。企業も、消費者と双方向で繋がるための新しい効果的な方法を見つけなければなりません。消費者を動かすものは、今やひとつではありません。消費それぞれが、自分にとって何が価値があり、何が価値がないかを決めるさまざまな方法を持っています。決定はきわめてインタラクティブ(双方向)で、デジタルであろうとなかろうと、会話を中心に行われているのです。私たちが受け入れなければならない現実、それは、消費者が1 日の暮らしのどこかで見てくれるのではないかと期待して、いくつかの決まったチャンネルを通じて強力なメッセージ流す、という旧来のやり方はもう通用しないということです。私たちはある意味、昔に逆戻りしているともいえるでしょう。ある婦人が優秀なセールスマンからある製品を買い、その製品がとても気に入ったので隣人にその製品のことを話し、2 人がそれを家族に話し・・・という風に。今、消費者が必要としているのは、製品に実際に触れて感じること、そしてそれを人に話し、自分の経験を人とシェアし、人からも同じようにアドバイスをもらうことです。日本の消費者市場はいたるところに商品が溢れていますし、必ずしも店舗で買い物をする必要はありません。それでも消費者はいまだに製品を実際に手に取って確かめるために店まで足を運びます。

日本人はかつてないほど「生涯のサプライヤー」を探すことに熱心です。 日本人の消費者が求めているのは製品そのものというよりも、それ以上のもの、つまり完ぺきなブランドなのです。最良の保険、最良の政府、そして信頼に足る最良のサービスを日本の消費者は求めています。彼らが見ているのはCSR(企業の社会的責任)であり、製品の根本にある企業姿勢であり、企業が提供できる付加価値なのです。そのことを理解した上で初めて、各クライアントの固有のニーズにどうアプローチすればよいかを決定できるのです。当社では、ほぼすべての場合、購買に関わる段階すべてを再編成することから着手します。伝統的に、企業にはマーケティング、営業販売、アフターサービス、コミュニケーションなどの各部門があり、それぞれが独立して個々の予算で活動しています。私たちは、企業が、より多機能で部門横断的な組織を立ち上げるお手伝いをしています。消費者の高い期待に応えるためには、まず一貫性と統一性を備えた組織をもつ必要があるからです。

この記事の感想
  • とてもおもしろく役に立った (0)
  • おもしろかった (0)
  • 役に立った (0)
  • つまらなかった (0)

Pages: 1 2 3 4