ニッポンを話そう – 日本の夏休み

日本在住外国人による鼎談

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気温が高いうえに、湿度も高い日本の夏。とくに、アスファルトとコンクリートで覆れた東京は、照り返しによる暑さが加わって、過ごしにくいことで知られています。
日本に住む多くの外国人は、そんな暑さから逃れるため、夏休みは自国へ帰省。
その一方で、夏こそ日本の魅力を楽しむ季節だと考える人たちもいます。
JQRはそんな熱心な日本の夏ファンから、この季節のオススメスポットを聞きました。

 

Talk 1
ステファン フォレ
フランス人、日本在住12年。中世の歴史と日本旅行が大好き。投資顧問会社で働きながら、自転車レーシングチームを運営。
クミ カルディナル
日本人の母親を持つカナダ人。日本在住8年。音声認証分野の会社に勤務。日本以外の場所で夏を過ごすことなど考えられないという。

 

JQR : 日本で最初に夏休みを過ごしたときの思い出は?

Kumi : 私は子どもの頃、カナダに住んでいたのですが、夏休みはよく、母親の実家がある日本で過ごしました。その時のことで一番よく覚えているのは、お土産もの屋さんがたくさん並ぶ浅草の仲見世ですね。小さなお店に色とりどりのものが並んでいる風景はとても楽しく、私にとってはまるでおとぎの国のようでした。そこを通るだけで、お姫様になった気分でしたね。

Stephan : 僕の場合、一般的かもしれませんが、日本で過ごした夏の最初の思い出は奈良のお寺です。スケールの大きさに驚きました。その数ヵ月後、阪神淡路大震災が起こったのですが、木造建築にも関わらずダメージを受けなかったということに、本当に感激しましたね。

JQR : お二人はほぼ毎年夏はこちらで過ごすのですか?

Kumi : もちろん!

Stephan : 僕はこの前、フランスに5年ぶりに帰りました。

Kumi : みんなどうして帰るんだろう?日本を楽しめる一番いい季節なのに!

JQR : 日本での夏休みはどこで過ごしていますか?

Stephan : 僕はこれまで、本州と四国のほか、沖縄へ行きました。去年は3月の東日本大震災の後、家族を家内の実家がある愛媛県大洲市に連れて行きました。とてもとてもきれいなところですよ。

Kumi : 私は夏休みの大半は山に行きます。標高1500メートルの小さな村落、上高地を通って北アルプスに行くのが好きです。ここは観光地なので、ホテルも旅館もあって便利ですね。多くの人がここに滞在して、数時間のトレッキングを楽しんでいます。上高地にはそのシンボルになっている吊り橋「河童橋」があるのですが、みんなそこで写真を撮っているのをよく見かけます。

全員 : (笑)!

Kumi : ちなみに私は2〜3日かけて、山好きな人と一緒に本格的な登山をするのが好きなんです。息を飲むような絶景は最高! しかも、東京の息苦しい蒸し暑さから逃れて、新鮮な空気を吸うのは本当に気持ちいいんですよ。

Stephan : 確かにそうですよね。僕は家内の友だちがいる長野県の南にある飯田を時々訪ねるんですが、東京を出て1時間もしないうちに、空気が爽やかになり、気分もリフレッシュします。飯田は盆地の小さな町ですが、それでも涼しい!

Kumi : あと、ホテルもいいですが、山小屋に泊まるのもいい経験ですよね。奥穂高の山小屋はとっても設備が整っていて、図書室やサロンがあって……。これって、山にしては贅沢かしら !?

Stephan : 僕は東京にいると、今でも自分が外国人であると思い知らされる視線を感じて驚くことがあります。でも、山や小さな村では、他の日本人のお客さんと同じように僕に日本語で話しかけてくれるのがうれしいですね。自分を“ヘンな外国人”だと感じなくなります(笑)。

 

Talk 2

 

JQR : おふたりの秘密のバカンススポットは?

Kumi : 八丈島!

JQR : そこに行くだけでも大変ですね。

Kumi : 船旅ですよ。

Stephan : 東京のずっと南にある島でしたっけ?

Kumi : そう。東京都の一部です。夜の10時頃に出港して、翌朝8時頃に到着します。船で1泊してそこに着くと、足元がフラフラしてしまって、普通に歩くのがちょっと難しくなりますけどね……。

JQR : それは陸酔いですね。

Kumi : そうなんです。でも、本当に小さな島なのに、とても楽しいんですよ。というのも、やりたいアクティビティがいっぱいあるからなんです。

Stephan : 本当? むしろ何もない印象ですけどね。

Kumi : いえいえ、行くだけでもすごい大自然が残っていて十分その価値はありますよ。さらに、トレッキングしたり、ダイビングしたり、サイクリングしたり……。以前は結婚式の人気スポットだったのですが、最近はかなり静かになっていますけどね。

JQR : 最近はむしろ「エコ」や「スローライフ」というイメージがあるようですが……。

Kumi : そうですね。大都会のストレスから離れ、ゆっくり休む「自然派」のバカンスを過ごすために、その島へ行きます。帰りは飛行機を使いますけど。

Stephan : 僕は伊豆半島の下田が好きですね。東京から行きやすいですし、そんなに遠くないのでハマっています。きれいな浜辺だけではなく、ごつごつした岩山もたくさんあって、景色も楽しめますよ。

JQR : 日本の田舎で夏休みを過ごそうと思ったら、必ず予約が必要ですよね。

Stephan : もちろん! 食事つきの宿泊を申し込んでおかないと。というのは、レストランはほとんどないし、あっても閉まる時間が早いですからね。民宿はその土地の美味しい料理を出してくれるので気に入っています。

Kumi : 旅行中の食事は大事ですよね。日本の魅力のひとつですから。私が行ったところはどこも素晴らしかった!それに、地方の料理に出会えるのもうれしいですね。

Stephan : 僕は家族で旅行するときには、民宿かペンションなど、小さな宿泊施設に泊まるようしています。以前、下田でひと晩に3組か4組しかお客を受け入れていない小さな宿に泊まったんですが、漁師さんが獲ってきた新鮮な魚介類やその土地の野菜を使って料理を作ってくれるんです。一流レストランにも匹敵する豪華な料理でしたよ。僕は今まで日本の宿で一度も悪い印象を持ったことはありません。

Kumi : 食事つきの宿泊にすることはマストですよね。

Stephan : それからもうひとつ、僕が好きな場所は沖縄です。とくに沖縄本島の北部、名護のあたりがいいですね。東京など大都会は緑が少ないですが、そこにはたくさんあります。森というより本当のジャングルみたいな感じです。蛇がいたりして。

Kumi : あ~。私は行ったことがないですね。

Stephan : それから那覇にある首里城が大好きです。日本の他のお城とはずいぶん違っていて、中国と日本の文化が融合しています。沖縄には、他にも韓国で見た緑や赤を使ったお寺を思い出させるような場所がいくつもありますよ。

Kumi : 私は沖縄とは反対の場所、北海道が好きですね! 日本で一番カナダっぽくて、生まれた国のことを思い出させてくれるんです。

Stephan : 広々していますよね。

Kumi : そうなんです! 東京で暮らしていると、空間はどこも狭くコンパクトですが、北海道に着くと、ショッピングセンターの駐車場ですら広い!東京にあるお店でも、北海道の店舗は広いんです。それに、自然の広大さといったら! 7月になると富良野では壮大な山並みを背景にラベンダーの花が野原いっぱいに咲くのですが、その光景は本当に印象的なんです。

Stephan : 行ったことがないけれど、僕が持っていたイメージそのものですね。

Kumi : 東北にもとてもきれいな場所がありますよ。例えば秋田県の田沢湖とか。

Stephan : 彫刻のある有名な湖ですよね。僕も行ったことがあります。

Kumi : そして「小京都」として知られている角館の町を散策するのがいいですよね。武家屋敷は建築のすべてがとても印象的ですよ。

Stephan : 建築といえば、富山にある茅葺き屋根の古い建物にも目を奪われました。

 

Talk 3

 

JQR : ぜひ、多くの外国人の方にも、そんな日本で夏休みを過ごしてほしいですね。

Stephan : 確かに暑さは半端じゃないけれどね。

Kumi : そんなの、慣れますよ! 東京の夏は蒸し暑くて過ごしにくいけれど、涼しいところや、暑さがマシな場所へは簡単に行けますからね。

Stephan : 電車で小一時間も出れば、結構涼しくなるよね。それに、日本はすごく清潔だから、気持ちがいい。

Kumi : 確かに。それに日本は安全な国だから、言葉ができなくても、文化について何も知らなくても外国人でも安心。

Stephan : そうそう、酔っ払ったサラリーマンがベンチで寝ていることもあるけれど、初めて見た時は信じられなかった! それくらい日本は治安がいいですよね。ヨーロッパ人にとって、日本は決して気軽に行ける国でないけれど、一度日本の夏を楽しんでほしいなと思います。

Kumi : ホント、ホント。一度楽しんだら、忘れられなくなるはず!

 

Talk 4

 

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