The Future of “Cool Japan”

Japan Undercover - vol.1

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“Cool Japan 戦略” という言葉を耳にしてから久しい。確かに日本のソフトパワーは世界で一定の評価を得ているように見える。

7月初め、フランスに「Japan Expo2012」を見に行った。ヨーロッパでどれだけ日本文化が受け入れられているのか、実際に見たいと思ったからだ。たしかに欧州中から日本のアニメや漫画、J-POP にファッションが大好きなコスプレーヤー達が会場一杯に溢れている様にはただただ圧倒された。しかし、だ。ブースの多くは日本以外の国のものだった。つまり“Cool Japan” ブームに乗っかって貪欲に金を稼ごう、と出展しているのは、韓国や中国、はたまたアラブ資本だったりするのだ。安い労働力に支えられた戦略的な価格設定。巧妙なイミテーションを前に、日本企業はまともに勝負出来ていない。“Japan Cool”は実は“Asia Cool”になってしまっている。アジア各国の経済発展に寄与している、と言えば恰好いいが、日本として儲からないのでは、むなしいばかりである。

「Japan Expo」に日本の骨董品を出店している会社の社長は、「欧州では本物のMade in Japan が少ない。偽物ばかりだ。では実際に日本のCool な商品の価値が解っている欧州の人たちは、海賊品に満足しているかと言ったら、そうではない。本物のMade in Japan を彼らは求めている。しかし私たち日本の中小企業が本物を海外に広めたい、と思って進出しようにも、資金力がないので難しい。何らかの政府のバックアップがないと……」と嘆く。

では、日本政府は手をこまねいているのか?

答えは否だ。枝野経済産業大臣率いる経済産業省は“CoolJapan 戦略” に本腰を入れている。その一つが、クール・ジャパンを担う企業・クリエイターの海外市場への展開を支援する「クール・ジャパン戦略推進事業」だ。具体的には、シンガポールで渋谷の最新ファッション情報を発信し、将来の販売増につなげるプロジェクトや、インドのテレビ局と提携し、日本のスポーツアニメのキャラクターを現地化し(例えば野球をクリケットに変える、等)、いわゆる“ ご当地ヒーロー” に仕立て上げたコンテンツを放送し、ライセンシー企業各社(おもちゃ、文房具、子供用製品、アパレル等)が展開する戦略的商品を販売促進する事業などをバックアップしている。

こうした「Cool Japan ビジネス」を政府がバックアップすることに意味がないとは言わないが、単発の事業で終わる可能性がある。継続していくには、やはり民間主体で進めて行くしかない。むしろ政府は、JETRO(Japan External Trade Organization)やJBIC(Japan Bank for InternationalCooperation)などと連携を取って、現地展開に関わるコンサルティングや資金援助に力を入れるべきだろう。その方が、「CoolJapan ビジネス」を海外展開しようとしている企業にとって大きな助けとなるはずだ。その際、先の社長はこう強調した。「日本企業の現地展開には、その国の様々な法律、規制等に精通した現地人の存在が不可欠だ」と。

これまで、真剣に日本ブランドの海外展開に取り組んでこなかった日本企業にとって道は険しいが、前に進まねばいつまで経っても「CoolJapan ビジネス」で海外から収益を得ることは出来ない。

“Cool Japan 戦略” が成功するかどうかは、官と民、双方が本気かどうかにかかっている。(了)

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