Vol.6 ラッピング広告東西比較

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Other Eyes and Ears
~ Intercultural insight through common words

何気ない言葉に見る深遠な異文化論

異目異耳

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 その昔、JR (Japan Railway)は日本国有鉄道。つまり、利潤を追求しなくてもよい「官庁」だった。だが、民営化後、今は営利追求が目的の企業になった。と、今更のことを言うのも、昨年だったか、東京の山手線の駅に昔懐かしい国鉄色(チョコレート色)の車体が入ってきて、オヤっと思った。そして、それが製菓会社のチョコレートの広告だと分かり、小さな感動を覚えたからだ。
 それ以来注意をしていると、食品、飲料、米、観光など、いくつかバージョンがある。なるほど、コマーシャル収入が目的なのだ。
 とは言え、「車体宣伝」(ラッピング=Wrapping=包装というらしい)は、文字通り公共機関で皆の眼に触れるものゆえ、そのデザイン、美観には注意が必要である。
 そういう意味で秀逸だったのは、NYCマンハッタンで見た車体ラッピング広告だ。グラ・セン(Grand Central Station中央駅)の地下鉄駅に入ってきた車体にはこうあった。GREAT HAPPENS 偉大なできごと(偉大なことが起きる?)。そして、WHEN PEO-PLE GET TOGETHER人が出会う時。
 その緑色の電車のドアが閉まるのを見て、思わず微笑んだ。
 二人の人間が出会って、左右から文字通りお互いが歩み寄り、握手をするというもの。なるほど「公共広告」としていいアイディアだと、ホノボノとさせられる。その広告主は某ホテル・チェーンなのだが、なるほどMeeting Placeであり、そのキャッチは素晴らしい。
 長く国際ビジネスに携わってきた筆者が思うのは「グローバル化とは人と人との出会い」と言うこと。特に日本社会で言われる「人間関係の重要さ」を、あの生き馬の眼を抜くアメリカ社会のど真ん中、マンハッタンで、トップ・マーケッティング会社が全面に打ち出しているというのは、とても興味深い。
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