ダルビッシュって誰?

異目異耳 - Vol.1

Decrease Font Size Increase Font Size Text Size Print This Page

「ダルビッシュ」と聞いて「野球選手」と答えられない日本人は多くはいない。そう、あの日本ハムからアメリカ大リーグのテキサス・レンジャーズに移籍した話題のピッチャーだ。

ところが、「では、ダルビッシュって誰?」「どうしてそういう名前?」と聞かれて、即答できる日本人は殆どいない。他方、アメリカ人に「What is Dervish?」と聞くと、すぐに

「Whirling Dervish」と答えが返ってくる。Whirlingの意味は「グルグル回る」だ。

Dervish(Darvish)とはイスラム教のシーア派の一派、 神秘教団(スーフィズム)のこと。トルコ中南部コンヤのダルビッシュ、メヴレヴィー教団(Mevlevilik)はトルコ帽をかぶり、すその広いスカートでぐるぐる回る祈りの踊りで知られている。

彼らは「アラー神の下においては人間皆平等」ということで、質素を旨とし、物質主義を捨て、世俗を離れて托鉢で生計を立てている。一部で、「貧乏人」という解説も見られるが、「清貧」と解するのが適当であろう。

イスラム教2大宗派の一つ、シーア派は開祖モハマッドの従兄弟で娘婿のアリ(Ali)をImam(指導者)として仰ぐ。ダルビッシュ投手の名前は有(ユウ)だが、それは有り(アリ)とも読める。

同投手の父君はイラン人(元)であると聞くが、シーア派開祖「アリ Ali」への思いがあったのだろう。因みにダルビッシュ選手のフルネームはダルビッシュ・セファット・ファリード・有だ。

多民族、多人種、多宗教が混在する米国では、多様な人々が生活し、それが当然と思われている。従い、ダルビッシュという名前は極く普通にその多様性の中に組み入れられているのだ。だから、彼らに「今活躍中のダルビッシュ(投手)は日本人だ」と説明すると、かえって、「まさか」と驚かれる。興味深い文化ギャップの例である。

米ニューヨークのミッド・マンハッタン47丁目と7番街のビジネス街。そこで「Mediterranean Restaurant(地中海レストラン)」と看板が見えるトルコ料理店の名はDervish(ダルビッシュ)だ。中で、Whirling Dervishの絵を見ることができる。

この記事の感想
  • つまらなかった (1)
  • とてもおもしろく役に立った (0)
  • 役に立った (0)
  • おもしろかった (0)