今、胸にひびく E Pluribus Unum

異目異耳 – Vol.4

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 マシュー・ペリー提督が率いる黒船が来訪し、日本が200余年に亘る鎖国を解いた、明治維新(1868)から145年。アメリカ合衆国は日本にとって大きな存在である。

 ここで、ちょっと考えるとおかしなことに気が付く。「衆」とはすなわちPeopleだ。確かに「人民の人民による人民のための政府」(1863年、リンカーンがゲティスバーグ演説で引用)なのだが、United Peopleだとまるで人民国家、社会主義ないし共産主義を彷彿させる。

 United States(州)of Americaは、あくまでも「アメリカ合州国」であらねばならない。

 さて、独立宣言(1776)、独立戦争(1775-1783)を経て独立した時の「アメリカ合州国」を構成してたのは13州。

 同国の国璽(こくじ=Great Seal of the United States)の上方には13の星、白頭鷲(国の象徴)の胸にある盾には13のストライプ、鷲が左方に持っているオリーブの葉は13葉、右方に持っている矢の数は13本、モットーも13文字になっている。すべてが13だ。

 そして、その鷲が咥えたリボンに書かれた文字に注目。ラテン語でE Pluribus Unum 。

 Eはfrom, PluribusはPlural複数、UnumはUni-/Unite/One。つまり “out of many, one”「多数から一つ=複数州からなる統一国家」の意味で、1955年までは米国の標語(motto)となっていた。

 

 米国人なら誰でも知っているこの言葉は、しかし、日本ではよほどの米国通であっても知らない。

 だが、この「United」(一つになる)という言葉に感動したのが、日米和親条約(1854)の締結に尽力したジョン万次郎John Mung(後に中濱万次郎)だった。

 土佐(高知県)の中の浜に生まれ育った少年が出漁、嵐に遭遇、無人島に流され、アメリカ合州国の捕鯨船に救われ、ホイットニー船長に東海岸まで連れて行かれ、教育をうけ、日米の懸け橋になった話は有名だ。

 万次郎はこのE Pluribus Unum に感動し、これこそが新生日本の目指すところと強調し、坂本竜馬がそれに感動、鼓舞されたという記録もある。

 今、混迷の世界。「一つになろう」というこのことばが深く胸にひびく。

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