美酒礼賛 – ワイングラスで飲みたい日本酒 [vol.8] – 蒼空 純米大吟醸 愛山

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Bishu 1

 

澄み切った青空を彷彿とさせるクリアな味

この酒との出会いは京都の『両川』という居酒屋。ワイングラスで日本酒を提供する京都では珍しい店で、「地元の酒を」とオーダーしたところ、「蒼空」が出てきた。ボトルデザインの美しさに一目惚れ。飲んだ後、さらに心をわしづかみにされてしまった。惚れた酒となれば、醸した蔵元の顔が見たくなるもの。早々に伏見に向かった。

藤岡酒造は先代の急逝後、一度は蔵の扉を閉めてしまう。しかし五代目・藤岡正章氏の酒造りへの情熱は消えることなく、他の酒蔵で修業した後、再び扉を開けた。“復活の蔵”と言われる所以はここにある。

多種ある中で選んだのは「蒼空純米大吟醸愛山」。若々しいグリーンを帯びた色合いが目にも涼しく、清々とした香りが心地いい。最初は水のごとくスッと喉を通るが、後半にかけての膨らみが大きく、飲みごたえも抜群。米が持つ優しさと、力強さを兼ね備えた味わいで、日本人のDNAに訴えかけられるような気がする。幕切れはグレープフルーツに似た酸味。世界に誇る名水の地を最大限に生かした酒造りの良さが、すべて酒質に表れている。

飲む際はあまり冷やしすぎず、10度程度のほうが米の旨味を堪能できる。合わせる料理は生湯葉の刺身がおすすめ。この時、つけるのは醤油ではなく、ぜひ煎り酒にして欲しい。酒、かつお節、梅干しを煮込んで作った煎り酒は繊細な生湯葉の味と酒の風味を一層引き立ててくれる。魚であればギンダラ、カマスといった淡白なものをシンプルな塩焼きで。他には揚げ蕎麦、むかごの素揚げといった素材の味を生かした料理と良く合う。

500mℓという日本酒には珍しいサイズが幸いし、うまい料理があれば2人でちょうど飲み切ってしまう。飲み終えた後の気持ち良さは、まさに雲一つない青空のごとく、である。

蒼空 純米大吟醸 愛山
●アルコール度数:17度
●精米歩合:50%
●アミノ酸度:1.2
●日本酒度:+2
●酸度:1.4
●使用米:愛山
●容量:500ml
●価格:3,000円(税込)

藤岡酒造
京都府京都市伏見区今町 672-1
075-611-4666
http://www.sookuu.net/index.html

文/葉石かおり(きき酒師) 写真/長尾 迪

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