美酒礼賛 – ワイングラスで飲みたい日本酒 [vol.13] – 五橋 大吟醸 西都の雫

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Bishu 1

 

天使までも酔う気品ある味わい

酒井酒造は日本三名橋の一つ、錦帯橋がある山口県岩国市に蔵を構える。主要銘柄『五橋』の名前は、五連の反り橋である錦帯橋に由来。名前、味ともに酒徒の記憶に残る銘酒であることは言うまでもない。

『五橋 大吟醸 西都の雫』は、山口県で生まれたオリジナル酒米・西都の雫を使った酒。開栓した途端、大吟醸らしい熟したプリンスメロン、ハワイアンジャスミンを思わせる華やかな香りが楚々と広がる。この何とも言えぬ気品ある香りだけで、酔ってしまいそうだ。グラスを傾けると、壁面に滴が伝う。ワインで言うところの“天使の涙”で、ここからわずかに粘性があるのがわかる。舌を包みこむかのような滑らかな飲み口で、それがまた非常に心地いい。甘味、辛味、酸味が三位一体となり、舌の中心に向かって、ゆっくりとまとまってゆく。最後にオレンジに似た爽やかな酸味が、余韻を残しながら切れを誘う。

大吟醸というと、かつて一世風靡した香りが強く、甘めの酒を想像する方が多いが、『五橋 大吟醸 西都の雫』はそうした酒とは一線を画す。米の旨味もほど良く、食中酒として存分に楽しめるタイプで、長い時間飲んでいても飲み飽きしない。飲み手を選ばない寛容な酒である。

合わせたい料理は、素材の味を生かしたシンプルなもの。甘エビやホタテといった、素材そのものが甘味を持った魚介類の刺身は特に相性がいい。つけるのは醤油ではなく、天然塩がおすすめ。食材の甘味が引き立ち、また繊細な酒の風味を損なうことなく楽しめる。パイナップルやマンゴーといったフルーツとも良く添う。食べる際、軽く天然塩をつけると、より一層グラスが進む。

暑さが増すこれからの季節、ラベルに描かれた錦帯橋に思いを馳せつつ、きりっと冷やして飲んで欲しい。

五橋 大吟醸 西都の雫
●アルコール度数:16~17度
●精米歩合:40%
●日本酒度:+3
●酸度:1.5
●米:西都の雫75%、山田錦25%
●容量:720ml
●価格:3255円(税込)

酒井酒造
山口県岩国市中津町1-1-31
0827-21-2177
http://www.gokyo-sake.co.jp/

●文/葉石かおり(きき酒師) 写真/長尾 迪

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