美酒礼賛 – ワイングラスで飲みたい日本酒 [vol.11] – 神渡 純米大吟醸

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Bishu 1

 

王者の風格を備えた銘酒

「御神渡」という言葉を聞いたことがあるだろうか?この時期になると、ごくたまにニュースで耳にする方もいるだろう。「御神渡」とは氷が張った諏訪湖の面に鋸状の亀裂が走り渡った状態のこと。厳しい寒さが続く冬期に起こる天然現象で、地元では諏訪大明神(上社)が女神(下社)の許へお渡りになった跡と信じられている。清酒「神渡」の名前は、この伝説にちなんでつけられた。蔵が目指すのは「笑顔のみえるこだわりの地酒」。若いパワーを集結し、一つ一つの工程を丁寧に行う。主要ブランド゙ある「神渡」、「豊香」は若手からの支持も高く、酒のイベントでは早いうちになくなってしまうという人気急上昇の酒だ。

「神渡純米大吟醸」は、同シリーズの中の最高峰。高級感あふれるルックスは、開栓前から期待させてくれる。グラスに注いだ瞬間、美麗な香りがふわっと広がる。米の持つポテンシャルを最大限に引き出した酒ならではの芳しい香りだ。丸みのある舌触りが、造りと水の良さを感じさせる。上品な甘味と旨味を中心に据え、軽妙な酸味が囲むようなイメージの味わいで、五味のまとまりも秀逸。余韻の長さもほど良く、ゆっくりと切れ上がる様がまたいい。飲み終わった後、舌の中心にホロッと残る酸味が何とも言えず心地いい。

適温は常温から冷や。ふくよかさを生かすには、冷やしすぎないほうがいい。肴は調味をあまりしないシンプルなものがベスト。白身魚を醤油ではなく、江戸時代から愛用されている煎り酒を添えて食べるのがおすすめだ。

食中酒として最初から最後まで、飲み飽きることなく、貫き通せるのは、さすが“酒の王”と呼ばれる銘酒ならでは。舌でその貫禄を感じて欲しい。

 

神渡 純米大吟醸
●アルコール度数:15 度
●精米歩合:39%
●日本酒度:+2
●酸度:1.4
●米:長野県産美山錦
●容量:720ml
●価格:3360 円(税込)

豊島屋
長野県岡谷市本町 3-9-1
0266-23-1123
http://jizake.miwatari.jp/

●文/葉石かおり(きき酒師) 写真/長尾 迪

 

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