3.11を抱きしめて – 東日本大震災・災害復旧ボランティアの現場から- [第7回]

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約200人の被災者が集まったクリスマスパーティー

 

10月11日に湊小学校の避難所が閉鎖されたため、周辺の住民は仮設住宅や賃貸アパート、親戚の家などへと離ればなれに移住した。もちろん、小学校は閉鎖されたままだ。なので子供たちはやむを得ず、それぞれ移住先近くの学校へ転校した。

ようやく冬がやってきた。冷えた空気と雪のため、街はとても静かだ。時折聞こえるトラックやショベルカーの音が、復興活動が続いていることを思い出させる。

主なボランティア団体は、春まで休みを取っている。しかし、寒く厳しい環境だからこそ、頑張り続けることが大切だと考えているグループもある。私が立ち上げたグループ「NADIA」もその中のひとつだ。12月16日の夜に、40人ほどのボランティアが石巻に向かった。ブーツやヘルメットを運ぶのに加え、今回はターキーやクリスマスのプレゼントも積み込んだ。今週末のメニューは「一日作業、一日パーティー」だ。

一日目:-5度という寒さの中で、住宅の解体を行うことは簡単な作業ではない。しかし、家主の笑顔と信頼してくれる気持ち、そしてボランティアたちの元気が、厳しい環境を忘れさせる。一日目はあっという間に終了した。作業の完了は、家主が背負い込んでいた重い気持ちをいくぶん軽くしたことだろう。何より嬉しいのは、私たちと家主の間に言葉では説明できない、永遠に続くであろう深い絆が生まれたことだ。

二日目:午前11時にコミュニティ会館のドアが開かれた。屋内の暖かな空気に誘われるかのように、ゲストが次々にやって来た。大人や子どもまで総勢200人を超える人々。3月11日以降にボランティアに来た人たちを含め、全員知り合いだ。一つの部屋に集まり、米国風のクリスマス料理やドイツ風のクリスマスケーキを一緒に楽しんでいる。室内はとても暖かだが、それは暖房ばかりでなく、久々に知り合いに再会した喜びや、クラスメートと楽しく遊んでいる子どもたちの心が発する温もりによるものだろう。

サンタクロースが、一人一人の子どもの名前を読み上げプレゼントを配った。両親のお手伝いのごほうびとして、二週間前にサンタへ送られた手紙。その願いが叶ったのだ。そして、母親たちにも自然石のブレスレットがプレゼントされた。

風船作りのピエロやマジシャンが笑いを誘い、子どもたちはホッケーやサッカーのゲームに夢中だ。賑やかで楽しい雰囲気が会場を満たしていた。

この機会に、集まった人たちからのニーズを汲み上げることができた。それをもとに、来年のプランを組み立てる。私たちは年が明けた1月上旬から作業開始する予定だ。

Christine Lavoie-Gagnon (ラヴォワ=ガニョン・クリスティーヌ)
ケベック出身。日本在住17年超。東京でPR会社を経営。現在は、被災者支援のために立ちあげた組織NADIAの活動のために石巻で過ごす時間が多い。

 

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