澤田洋史のカフェ進化論 Vol.6

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アメリカスタイルを徹底するということ

僕がその後の人生を決めるコーヒーと出会ったのは、シアトルでした。

自分が持ちたいと思っていた店のイメージは、まさに働いていたシアトルの店そのもの。一歩足を踏み入れると、そこはアメリカ西海岸のコーヒーショップ、というのが理想です。

なので家具はすべてアメリカから取り寄せました。トイレもアメリカスタイル。スタッフがお客様に鍵を渡して入ります。ちょっと面倒ですね。でも、僕は細部まで徹底したかった。

アメリカテイストのカフェは、他でもごく普通に目にします。しかし僕の店は外観や内装ばかりではありません。働き方もアメリカ流。何より早めの店じまいを徹底しています。

バリスタの仕事は、集中力を要するいうのが理由のひとつです。一杯ずつ、カップからこぼれるギリギリまでミルクを注ぎ、美しいアートを完成させる。この作業の連続なんですね。長時間の労働では、ある時点から気力も体力も低下するのが当然です。乱れた絵柄は一発で品質の悪さを印象づけます。お客様にいつでも上質のカフェラテをサービスしたいと考えると、必然的に働く時間は限られるのです。

なので、夜の7時には店を閉めてしまいます。しかも週末は12時から6時までの6時間だけの営業。オープン当初は、閉店時間が早すぎるという声をたくさん頂きました。でも、ほかの飲食店に行き、疲れた顔のスタッフを目にするにつけ、明るい接客には短かい営業時間が大事だと確信しました。

「ランチはないの?」というお客様も多かったですね。せっかく来てくれたお客様が、ランチがないことで帰ってしまうことに動揺したことは確かです。確かにランチを始めれば、そのときは稼げたかもしれません。でもそうなれば、あれも出さなければ、これも出そうと、いつの間にかメニューが増え、ダイナーなのかカフェなのか分からなくなります。しかも、スタッフの負担がとても大きくなります。僕の店の主役はあくまでコーヒー。しかもカフェラテがメインです。店ではミルクの入ったカフェラテに合う特注のドーナツを並べているだけです。

利便性を追求するコンビニとは真逆の店作りですが、僕はシンプルさの中に個性を追求していきたいと思っています。

 

Cafe 2 澤田洋史 Hiroshi Sawada
バリスタ。ラテアーティスト。大阪府出身。食品メーカー勤務後、アメリカ・シアトルに留学。そのときラテアートに出会い魅せられる。帰国後は再び食品メーカーに勤務するが、コーヒーの道を志すため独立。2008年Free Pourラテアートワールドチャンピオンに輝き、2010年自身がプロデュースするコーヒーショップ「STREAMER COFFEE COMPANY」をオープン。

 

STREAMER COFFEE COMPANY
東京都渋谷区渋谷 1-20-28 宮川ビル 1F
TEL03-6427-3705
http://streamercoffee.com/
Cafe 1

 

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